第55回 東海若手セラミスト懇話会
2017
年 秋期講演会開催報告

東海若手セラミスト懇話会
日本セラミックス協会東海支部


2017年10月27日(金)に株式会社LIXILにおきまして、第55回秋期講演会を開催いしました。(共催:日本セラミックス協会基礎科学部会、日本化学会).


今回はLIXILの榎戸工場の見学と招待講演2件のプログラムで開催されました。

榎戸工場の見学では、榎戸工場の概要についての説明後、3グループに分かれて衛生陶器の生産工程の見学(特に複雑形状・大型製品のオートメーション化システム)を行いました。 普段見学する機会がないこともあり、学生だけでなく一般参加者も興味をもって見学していただけたようで、見学後にも多数の質問をいただき衛生陶器製造に関しての理解を深めていただきました。 一件目の招待講演として、(株)LIXIL 嶋津季朗氏より「Al2O3-TiO2-MgO系での微構造制御による可撓性セラミックスの開発と高分子複合化による制振材料への応用研究」と題してご講演いただきました。“セラミックスが曲がる”という現象に関してのメカニズムや楽器などへの応用した例などをお話いただきました。実際にサンプルを手に取りながら聴講することができ、セラミックスが曲がることを併せて体感することができました(→写真1)。。 二件目の招待講演として、佐賀県窯業技術センター 蒲地伸明氏より「軟化変形を防止する焼結機構を持つ磁器材料の開発と製品化」と題してご講演いただきました。焼成時にガラス化するために変形することが当たり前であった陶磁器において変形が抑制されるという革新的な研究成果とその成果から生み出された商品のお話も聞くことができ、大変関心が高い講演でした(→写真2)。。 講演後には意見交換会を開催し、若手セラミスト達がにぎやかに議論、意見交換を交わしました。併せて、先に実施された2件の講演に対する学生さんの質問の中から、ベスト質問賞をそれぞれ1名ずつ選出し、表彰を行いました。ベスト質問賞は若手セラミストによる、より活発な議論を奨励するために毎年設けておりますが、今回もレベルの高い、また興味深い質問が多数され、講師の先生方より高い評価を頂戴しました。次回以降も積極的な議論への参加を期待します。なお、受賞者の氏名と所属は、本報告の最後に記した通りです。(→写真3)。 今回は大学、企業、研究機関などから54名の参加があり、その内、学生が15名参加しました。最後に本会が盛況のうちに終わりましたのも、講師をはじめ、参加者の方々のご協力の賜物と心より感謝申し上げます。


ベスト質問賞受賞者(敬称略)

淺井 健太 

岐阜大学

南 慎太郎

名古屋工業大学

文責:㈱LIXIL 澤田健行


写真

写真1 招待講演1

写真2 招待講演2


20161112日更新